●4208 宇部興産
1897年に採炭で発祥し機械・セメント・化学へ。射出成形機・ナイロン原料・電子材料に特色。同社の2008年3月期の連結営業利益が前期比9%増の510億円になる見通し。従来予想は4%減の450億円。化成品や樹脂などの価格転嫁が進んだほか、ナイロン樹脂原料を生産する際に発生する副生硫安が肥料需要の拡大で価格が上昇した。売上高は7%増の7010億円と従来予想を330億円上回る。石炭も数量増と価格上昇で予想を上回る見通し。純利益は従来予想を10億円上回って微減の220億円と減益幅が縮小する。2007年9月中間期の営業利益は24%増の222億円(従来予想は170億円)、純利益は13%減の78億円(同60億円)になる見通し。
『世界的な穀物類の生産拡大の恩恵を享受。大型新薬の動向にも注目
08
年3 月期は二桁営業増益達成の好決算 08 年3
月期決算は、売上高が前期比+7%、営業利益は同+19%。化成品・樹脂の営業利益が同+35%と大幅に伸張した。主力製品のカプロラクタム(CPL:ナイロン繊維・樹脂の原料)の好調、後述する硫安(硫酸アンモニウム)の価格上昇が業績拡大に貢献した。 CPL
は中国等の繊維生産拡大を受けて需給逼迫が続く一方、原料のベンゼン価格の上昇は相対的に穏やかであり、スプレッド(ベンゼンとCPL の価格差)が高水準で推移。CPL
は今後も堅調な需要が見込まれる一方、供給は殆ど増えない見通しであり、当面はCPL
の需給逼迫が続くと考えられる。
穀物類の生産拡大で硫安価格が上昇 硫安についても、需給逼迫を背景に市況の先高観が強い。硫安とはCPL
の製造工程で産出される副産物であり、主に肥料の原料として用いられる。現状、穀物類の「エネルギー」向けに、米国やブラジルでバイオエタノールの需要が爆発的な盛り上がりを見せている。原料となるトウモロコシ等の生産量拡大を背景に、硫安の需給が急激に引き締まっている。 上述した「エネルギー」向けに加え、世界的な人口増加や新興国の経済発展に伴った「食料」・「飼料」向けを考慮すると、穀物類の生産拡大は長期的に続こう。「作付面積の拡大」⇒「肥料需要の伸び」⇒「硫安市況の上昇」構図を描くことが出来よう。
大型新薬の動向に注目 機能品・ファイン事業において中長期的に注目されるのは、抗血小板剤「プラスグレル」の動向。同薬は販売開始された際、年間売上高が2,000
億円規模に達するとも言われる大型新薬である。医薬原体を供給すると見られる同社にとっても、これまでの利益水準を大きく押し上げる可能性を秘めている。 同薬は現在、米国・欧州で承認申請中。米国では今年2
月に優先審査品目に指定されており、早ければ今期業績から寄与してくる可能性がある。
同社の今期PER(大和総研予想)は約14
倍と、大手総合化学メーカー平均並み。ただし、化成品・樹脂事業の業績好調や、新薬への期待を織り込めば、平均以上の評価が想定されよう。』(大和総研)
|
売上 |
営業利益 |
経常利益 |
利益 |
1株益(円) |
1株配(円) |
| 連05.
3 |
562,708 |
32,312 |
23,634 |
9,223 |
10.1 |
2 |
| 連06.
3 |
595,391 |
42,169 |
33,254 |
16,006 |
16.8 |
3 |
| 連07.
3 |
655,608 |
46,862 |
43,154 |
22,013 |
21.9 |
4 |
| 連08.
3予 |
701,000 |
53,000 |
45,000 |
23,000 |
22.9 |
5 |
| 連09.
3予 |
740,000 |
56,000 |
47,500 |
24,000 |
23.8 |
5〜6 |
|