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3401 旭化成
医療関連事業を収益の柱に育てる
医療機器大手米企業買収へ
今期連結営業利益は15%増見込む
石化副産物からゴム原料生産技術を開発
旭化成は米医療機器大手ゾール・メディカル(米マサチューセッツ州)を22億1千万ドル(約1800億円)で買収する。旭化成の買収額では過去最大。医療関連事業を収益の柱に育てる考えだ。旭化成は昨年8月から、ゾール社の自動体外式徐細動器(AED)を旭化成グループが日本で販売するなど連携を進めていた。旭化成の首脳陣は成長力のある(ゾール社の)機器をアジアで展開してくのが狙いとしている。ゾール社は電気ショックで心拍を再開させる徐細動器の医療機関向けでは米国のシェア1位となるなど、生命の蘇生技術を生かした製品に強みを持つ。2013年3月期の連結営業利益は前期予想と比べ15%増の1200億円弱になりそうだ。政府の支援策を追い風に主力の戸建て住宅が好調を維持する。自動車の内装品などに使う樹脂原料の価格も回復し、リチウムイオン電池材料などエレクトロニクス部門の低迷を補う。
収益拡大のけん引役は住宅部門で、前期の部門営業利益予想(470億円)を上回り最高益を更新しそうだ。住宅ローン減税など政府の住宅購入支援策が寄与するほか、耐震性の高い住宅に対する買い替え需要が高まっている。12年3月期末の受注残は前々期末比7%増の3841億円と過去最高水準の見通しだ。自動車の内装品や家電の部材などに使う樹脂原料のアクリロニトリルは価格が回復する。昨秋に1トン当たり1700ドルまで下落したが、自動車生産の回復などで足元は2300ドル程度まで上昇、今期はこの価格水準が続き、採算性が好調しそう。医薬・医療部門も前期の営業利益予想(90億円)を上回りそうだ。血液凝固阻止剤「リコモジュリン」が伸びるほか、前期に発売した骨粗しょう症治療薬「テリボン」が通期で寄与する。
懸念材料はエレクトロニクス部門。スマートフォン(高機能携帯電話)で方角を測定する電子コンパスや、リチウムイオン電池用のセパレーター(絶縁材)の販売数量は増えるが、競争激化で価格が下落しそう。3月26日から医療機器大手の米ゾール・メディカル(マサチューセッツ州)株式のTOB(株式公開買い付け)を開始。成立すれば20年間でのれん代など1500億円程度を償却する方針で、今期は75億円程度の減益要因となる見通し。こうした要因を吸収、今期の連結営業利益は過去最高だった07年3月期の1278億円に迫る可能性がある。12年3月期の営業利益は、急落していたアクリロニトリルの価格が足元で回復、前期比15%減の1040億円と従来予想を確保できそう。
同社は石油化学コンビナートの生産過程で発生する副産物を活用し、低燃費タイヤ用の合成ゴムや家電用樹脂抜けの原料を生産する技術を開発した。2014年度に量産設備を建設する。投資額は50億〜100億円前後になるもよう。同原材料は「ブタジエン」と呼ぶ化学品で世界的に品薄感が高まっている。新技術をいち早く実用化して原料を安定確保、増加する低燃費タイヤ向けの需要に対応する。量産する設備は主力拠点の水島製造所(岡山県倉敷市)に建設する。生産能力は数万トンになる計画。生産したブタジエンは自社で使うが、将来は外販も視野に入れ、海外で年産10万〜20万トン規模の設備建設を検討する。水島製作所では石化製品の基礎原料のナフサ(粗製ガソリン)を熱分解し、ブタジエンやアクリル系の樹脂原料などを生産している。最終的に出てくる化学品に一種「ブテン」は主に燃料に使われるが、これを酸素と反応させて再びブタジエンを低コストで抽出する技術を確立した。
ブタジエンは低燃費タイヤ用の高機能合成ゴム(S−SBR)や、液晶テレビのボディーなどに使うABS樹脂の原料となる。タイヤ用を中心に中長期的に需要が拡大する見通しだが、現在はナフサからしか生産できない。11年の国内生産量は約93万3800トン。世界の化学業界ではナフサより割安な天然ガスから各種の石化製品を作る動きが広がっているため、ブタジエンの品薄感が高まる見通しだ。2月末のアジア価格も1トン当たり4000ドル弱と昨年夏の最高値に迫っている。合成ゴムや合成樹脂メーカーがブタジエンをどう確保するかが大きな経営課題となっている。同業他社もブテンや他の化学品からブタジエンを抽出する技術を研究しているが、コスト面などで実用化が難しかった。旭化成は低燃費タイヤ用の高機能合成ゴムでJSRに次ぐ世界シェア2位。13年にはシンガポールで初の海外工場を建設する。こうした製品の原料となるブタジエンを自社技術で安定的に確保し、一段の事業拡大を目指す考えだ。株価は反転、戻り歩調へ。
9792 ニチイ学館
介護サービス需要は拡大が続く
医療と密に連携。「潜在看護師」を積極的に採用
厚生労働省はこの4月から訪問介護など従来型サービスの報酬を大きく下げる一方、看護師を高齢者の自宅に派遣するサービスに多くの報酬をつけ、事業の多様化を各社に促す。介護大手ニチイ学館はこの対応策について、高齢者が24時間いつでもヘルパーや看護師を呼べるサービスなど、報酬改定に伴って新設されるサービスに対し需要が大きい分野なので参入したいが、必要な人数の看護師を確保することが課題という。全国には看護師の資格を持ちながら出産などを機に退職したままの人材が50万人以上いるとされる。そんな「潜在看護師」を積極的に採用していく。
同社に勤める看護師は約2千人。就職説明会などを開き2017年をめどに4千人まで増やす計画。介護業界は病院と比べ昼間だけの勤務形態を選びやすく、子育ての中の看護師も参加しやすいと考えている。主力の介護サービスで利用者数が伸びており、足元の業績は好調だ。2012年3月期の連結売上高を前期比5%増の2537億円、純利益を同64%増の57億円と予想する。4期連続の増収、2期連続の増益を見込む。13年3月期も2ケタ増が続くと予想している。今期業績のコンセンサスをもとに算出した、予想PER(株価収益率)は12倍。ワタミ(16倍)やベネッセホールディングス(16倍)に比べ、指標面での割安感があるのも支援材料。機関投資家の買い安心感につながっている。高齢化を背景に介護サービス需要は拡大が続く見通し。株価は上値追いが続きそうだ。
6676 メルコホールディングス
HDDなど周辺機の最大手
PC周辺機器業界は成り上がる形成
メルコホールディングスはHDD(記憶装置)、無線LAN(構内通信網)に強いPC(パソコン)周辺機器業界の国内最大手。売上構成はDRAM(半導体記憶素子)モジュールなどメモリ12%、外付HDDなどのストレージ41%、サプライ品などの「その他」が24%である。事業別の営業利益率はネットワークが露出して高いと推測される。成長ドライバーとなるのはテレビ用とへの拡大が進む外付HDD、スマートフォンやタブレット端末の普及が追い風となっている。無線LAN機器やサプライ品であろう。外付HDDと無線LANは国内シェア60%程度を有すると推測される。
2012年3月期は対前期比9%減収、同25%営業減益を見込む。タイ洪水で外付HDDが減収となり、競争激化で高収益の無線LAN機器の利益が伸び悩んだことが主因である。今期は同7%増収、同24%営業増益を予想している。第1の理由はタイ洪水の影響が緩やかに沈静化することで外付HDDが回復に向かおう。第2にLTE(新しい通信規格)対応のモバイル(携帯)WiFi(無線の規格)ルータ(通信機器)などの新製品投入などを受けて、無線LANが増収益に転じよう。今期後半には米国のマイクロソフト社のウィンドウズ8の離陸が予想されており、周辺機器業界は盛り上がっていくと予想される。
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