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フレンズ・ブレック・ファースト



≪見本≫




 − 9/6(火) −


手掛かり材料に乏しい


 週明け5日(月)の米国株式市場はレーバーデーの祝日で終日休場となっています。米国株や米国債のほか、原油先物などのニューヨーク商業取引所(NYMEX)を含むCMEグループの各市場も休場となり、通常取引は翌6日に再開されます。米国のこのレーバーデーは日本でいうところの勤労感謝の日にあたり、毎年9月の第一月曜日があたるのですが、三連休の最終日になり、この日を境にバケーションモードから切り替わっていくそうです。又、レーバーデー明けで米国市場では公式に夏が終了したとして、投資家が本格的に市場に戻ってくることになります。

 一方で週明け5日の日本株ですが、日経平均株価は31円安の2万7619円と4日続落しています。欧米の高インフレや金融引き締めで世界景気が一段と悪化するとの懸念が重荷となっており、午前9時40分にこの日の安値となる139円安の2万7511円まで下押しています。先週末2日発表の8月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想並みで、失業率は小幅に上昇し、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めペースが緩やかになることはないと市場は受け止めたようで、2日のNYダウが300ドルを超える下げとなったことも嫌気されたようです。また、欧州で天然ガスの供給不安が再燃し、インフレへの警戒が一段と強まったことも投資家心理に響き、朝方の売りに繋がったようです。一方で、値ごろ感があるとみられた主力株の一部に買いが入り、指数を支える動きで、午後には日経平均が小幅な上昇に転じる場面があり、午後1時40分にこの日の高値となる22円高の2万7673円まで戻しています。前週に下げていたグロース(成長)株の一部に買いが入り、円安の進行で企業業績が上方修正されるとの期待も主力輸出株の下値を支えています。もっとも、週明け5日の米市場が休みと言うこともあり、薄商いのなかで持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、取引終了に掛けては揉み合いとなっています。

 米国市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が下落したことで半導体関連株が軟調に推移し、相場の重しとなっています。一方、米金融引き締めによる世界景気後退懸念がくすぶる中、小売り株の一角など内需株を買い戻す動きもみられたようです。日経平均は上値の重さが意識されているものの、下げる局面では押し目買い意欲が高いとの声も聞かれているようで、アイザワ証券の市場情報部情報二課・横山泰史氏によると「イベントを消化しつつ、相場が再び上昇トレンドになるのではないかと期待する動きもある」ということだそうです。ただ、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過するまでは積極的な買いは見込みにくいため、日経平均は「FOMCまでは2万7000円台を中心に横ばい圏の動きが続きそうだ」(国内運用会社)との声も出ているようです。

 日経平均株価のローソク足では上下に短いヒゲを伴う小幅な陽線となっており、上値・下値をともに前週末2日から切り下げる動きとなりましたが、ローソク足の形状は、気迷いの状態を示している「コマ」となり、強さを感じさせることはないながらも、いったん下げ止まったとの印象を与えているとも言えそうです。時価水準は過去にもみ合ったレンジの下限にあたるほか、引き続き200日移動平均線の2万7486円が下値支持線として機能しており、このまま同線を維持できれば反転への期待が膨らむことへの期待が強まりそうです。逆に200日線を割り込んだ場合は調整が長期化する可能性が出てくるとも言えそうです。ちなみに、25日線とのマイナス乖離率が2.29%、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)が94.41%とそれぞれ中立圏にとどまり、下値余地を残した大引けとなっているだけに、下向きのバイアスが強いと見た方が良いのかも知れません。

 今週は米消費者物価指数の発表を13日に控えるなか、7日にFRBのブレイナード副議長、8日にパウエルFRB議長の講演などが予定されており、FRBの利上げ幅を探る上での最後の発言機会となるだけに発言内容に左右される展開が続くことになりそうです。一方で大和証券に拠りますと、日経平均の今期予想PERとEPS(一株当たり利益)の推移をみますと、日経平均が7 月初 の 2万6000円割れから 8 月半ばに一時 2万9000円を回復と力強く上昇していた期間は、EPSの水準が引き上がったことがわかります。つまり、この間の株価の上昇は、米国株に歩調を合わせていただけでなく、4-6月期の決算発表を受け、堅調な企業業績を織り込んだ上昇だったと言えそうです。主要上場企業(金融とソフトバンクG 除く 199 社)の会社計画を集計すると、8月30日時点で 2022年度経常利益は前期比+2.1%となっています。一方で、大和証券のアナリスト予想(各企業の予想をボトムアップで集計)では前期比+8.6%。コロナ禍やウクライナ戦争など、事業環境の不透明感から会社が保守的な計画を立てていると考えられています。下期にかけて業績が上方修正され、日経平均の今期予想EPS が一段段と 切り上がることが予想されそうです。 先週は、FRBのタカ派姿勢とそれに伴う米景気の減速懸念を織り込んで米国株が連日で下落し、日本株も連れ安する展開となりましたが、欧米とは異なる日本の堅調な景気と堅調な企業業績は、日本株の支援材料になると同証券は考えているようです。今週こそ日本株は、米国株とは袂を分かち、独自の好材料を織り込む展開を期待したいとしていますが、果たしてどうなるのか注目です。 日経平均株価は前述の通り、下値200日移動平均線の2万7486円がポイントになりそうで、下値サポートラインとして意識する向きは多いようです。半面、これを下抜けるようだと機械的な売りを誘い、「それなりの調整があるかもしれない」(準大手証券)との指摘は根強い訳で、結局米国市場次第だと言えます。一部では、「米国株はそろそろ下げが一巡し、落ち着いてくるとみられ、日本株も底堅さが出てこよう」(中堅証券)との見方が出ていましたが、やや微妙な状況になりそうです。


09月02日現在海外相場(5日は休場)
NYダウ 31318ドル ー337ドル
ナスダック指数 11630P ー154P
CME日経先物 27515円 ー145円
(尚、CME日経先物の前日比は前日の大証比)


レーティング 09月05日(月)分
1929 日特建設 東海東京 OP継続 950円→1150円
1963 日揮 SMBC日興 1継続 2500円→2600円
2222 寿スピリッツ 東海東京 OP継続 9320円→9460円
2935 ピックルスHD SMBC日興 新規1 1800円
4082 第一稀元素化学 東海東京 OP継続 1360円→1700円
4680 ラウンドワン みずほ 買い継続 2000円→2600円
4820 EMシステムズ いちよし A継続 1200円→1300円
5957 日東精工 東海東京 OP継続 610円→650円
6762 TDK モルガンS Overweight継続 5500円→6000円
6794 フォスター電機 東海東京 OP継続 1200円→1300円
6947 図研 三菱UFJMS Buy継続 3980円→4950円
7011 三菱重工業 SMBC日興 1継続 6500円→6800円
7013 IHI SMBC日興 1継続 6000円→6200円
7701 島津製作所 三菱UFJMS 新規Overweight(再開) 5300円
8001 伊藤忠商事 みずほ 買い継続 4600円→5100円
8002 丸紅 みずほ 買い継続 1700円→1800円
8031 三井物産 みずほ 買い継続 4800円→4900円
8058 三菱商事 みずほ 買い継続 5900円→6100円
9001 東武鉄道 三菱UFJMS Overweight継続 3900円→4100円
9005 東急 三菱UFJMS Overweight継続 2100円→2200円
9435 光通信 SMBC日興 1継続 22000円→24000円
9531 東京ガス シティG 1継続 2800円→3000円
9627 アインHD 野村 Buy継続 8200円→8800円




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