− 3/12(火) −
この急落は一時的なものか、トレンド転換のサインか
日経平均もAI株もバブルからほど遠い状態
日経平均は3月7日に40472円の高値をつけた後に急落して、そこから3営業日後の本日12日前場には、38271円の安値まで付けました。2201円、5.4%の値下がりです。
5%程度の値下がりは、上昇トレンド内でよくあるもので、ここまでで留まるなら「ごく普通の一時的な調整」ということになります。
では、この急落は、一時的な調整なのか、下降トレンドに転換するサインなのか、どちらなのでしょうか。
そのことについては、先週の原稿で、
「日経平均はPER16.8倍と過去の推移の中ではやや高めになってきたので、利食いしたい人も増えて、一時的に急落する可能性はある」
「しかし、AI革命は加速してきており、下がれば株を買いたいという需要も大きいと考えられるために、すぐに上昇トレンドに戻るのではないか」
ということを述べました。
今回の急落については、やはり、短期的に上昇ピッチが速くて過熱感が出たので、スピード調整しているだけだと私は思います。
確かにPERはやや高めになってきました。しかし、
@企業業績の改善トレンドは続いている
A東証の低PBR是正の働きかけはまだまだ続いている
Bシリコンサイクルはまだ初期段階
CAI革命もまだ初動段階
ということを考えると、日経平均のPERの10倍台後半という水準は決して割高だとは思いません。AI革命が本格してきたことが誰の目にも明らかな状態になれば、日経平均のPERは20倍くらいまで上がってもおかしくはないでしょう。
PERはやや高くなってきたと言ってもバブルという状態からは程遠いですし、PBRは主要国の中で中国と最下位争いをしている状態です。
また、上昇相場のけん引役である米国のエヌビディアについては、先週の原稿で、
「そのエヌビディアは絶好調な決算を連発しており、来期の1株益予想(楽天証券による)は37ドルです。昨晩3月4日終値は852ドルですから、予想PERはまだ23倍程度です。来期予想についても、今の流れだと上方修正されていく可能性も高く、そう考えると予想PER23倍はかなり割安感が強いのではないか、と考えられるところです」
と述べました。
その後エヌビディアは973ドルまで続伸しましたが、そこから850ドル台まで急落しているところです。
結局、来期PER23倍の水準まで戻してきたわけであり、引き続き「かなり割安」と言える水準です。株価上昇の速さや大きさからバブル説も絶えませんが、企業実態から考えるととてもバブルといえる水準とは私には思えません。
何度か述べていますが、大きなトレンドは最終的にはバブル化して終わることが多いですが、現状はとてもバブルとは言えず、現実のAI革命の進展の早さに相場が追い付いていけていない状態だと考えられます。
そした、いずれ、この相場がバブル化していく可能性があるとすると、現状の株式市場はまだまだ上昇相場の初期段階なのではないか、と考えられるわけです。少なくとも私は個人的にそのように考えて投資方針を決めています。
AI関連株だけでなく、地味な好業績株などの水準訂正もいずれ起きるでしょう。そうした株を安値でコツコツ拾い、動きだすのも待つ戦略もよいと思いますし、わたしはそういう投資もしています。
<注意>
この原稿は、筆者が運用で勝つための戦略を探るアイデアを模索している過程取り急ぎを記したものです。注目株として取り上げている銘柄、その上値目標などについても、あくまでも筆者が個人的な運用において注目している株、メドとしている目標株価であり、推奨ではありません。読者の皆さんが投資される際には、これをあくまでも参考として、最終的にはご自身で吟味して投資していただくようにお願いします。
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