− 3/11(火) −
24ヵ月移動平均線は有力な下値メドか
東証スタンダード市場の地味な割安株は堅調
日経平均は、この1週間で約1000円下落して、本日11日前場は36000円台前後での推移となっています。2月半ばの高値39581円から3500円ほどの下落となっています。
3週前には、
「東証スタンダード市場と東証グロース市場は上昇トレンド入りしたのではないか」
「小型株は稼ぎ場到来したのではないか」
と述べましたが、3週前と比べて東証スタンダード市場指数は1300前後から12500前後へ、東証グロース市場指数は870前後から800前後へと下落しています。
東証グロース市場指数は上昇スタート地点に戻ってしまいましたが、東証スタンダード市場指数は上昇トレンドを維持しているように思われます。
東証スタンダード市場は地味な割安株が多いのですが、そうした銘柄についてはいまの相場下落の影響をほとんど受けておらず、上昇トレンドの形を維持しているものが多いように思います。
東証グロース市場の銘柄についても、十分に調整を経た銘柄については、これからしっかりと上昇トレンドに入っていくものがあるのではないかと思います。
今の相場下落の元凶となっているのはAI関連株ですが、 私の相場観としては、引き続き、「AI株の歴史的な上昇トレンドがまだまだ続く」というもので、これについては変わりません。
日経平均の下落メドについては、13週移動平均線や26週移動平均線などは割り込んでしまっていますが、中長期的なトレンドの有力な下値メドである24ヵ月移動平均線が36000円近辺のところにあります。今のような下落相場で下値メドを言い当てるのは困難ですが、一つの有力な押し目買いのメドとして24ヵ月移動平均線というのは注目されるところだと思います。
改めて株価下落の要因について
前回の振り返りになりますが、足もとの株価下落の要因については、以下ことが挙げられます
@エヌビディアのシンガポール経由の輸出に対する調査と輸出制限強化の可能性
Aトランプ関税への懸念
Bトランプの円安けん制
C米国景気の減速懸念
エヌビディアの収益の28%はシンガポール向けの輸出によるものですが、その多くが中国やロシアに流れているという懸念が浮上しており、シンガポールへの輸出は今後制限させる可能性があります。ただし、エヌビディアのAI半導体に対する需要は莫大で入荷待ちしている企業は多く、シンガポール向け輸出が禁止になっても他に回るだけであり、エヌビディアの収益や成長性にはあまり影響はないと思います。
トランプ関税についても一時的な要因だろうと思います。アメリカ第一主義であるトランプ大統領は、アメリカ経済に悪影響をもたらすところまで関税戦争を仕掛けていくとは思えないからです。あくまでも他国との交渉材料としてアメリカ経済に悪影響が出ない範囲にとどめることは間違いないことのように思われます。
トランプの円安けん制についてはある程度影響あるかもしれません。今の円高の動きについては、原油価格の低下、米国長期金利の低下、日本の長期金利の上昇などの動きと相まって円高圧力が強まっており、これらは日本株については株安要因になる可能性もあります。
ただし、原油価格低下と米国長期金利低下自体は株高要因なので、一概に悪い材料とばかりはいえないと思います。
米国の景気減速懸念については、当面の間は心配ないと思っています。経済指標は短期的には上下のブレがありますが、おおむね順調に経済成長路線を歩んでいると思います。これからAI革命の効果も大きく出てくると思いますし、米国景気は好調さを当面維持するのではないでしょうか。
27日のエヌビデイアの決算でも、改めてAI関連投資のすさまじさが確認できました。エヌビディア株は割高感もなく、今回の調整を経て一段と大きく成長する可能性があるのではないかと思っています。
この原稿では個別株の推奨はできませんが、AI株のけん引役であるエヌビディア株が上昇トレンドに戻れば、AI株からまた成長株がいろいろ出てくることになると思いますし、投資家としては収益機会がたくさん出てくると思います。
<注意>
この原稿は、筆者が運用で勝つための戦略を探るアイデアを模索している過程取り急ぎを記したものです。注目株として取り上げている銘柄、その上値目標などについても、あくまでも筆者が個人的な運用において注目している株、メドとしている目標株価であり、推奨ではありません。読者の皆さんが投資される際には、これをあくまでも参考として、最終的にはご自身で吟味して投資していただくようにお願いします。
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